エジプト娘を求めて(15) 傷心
Yaralı Gönül
Zeki Müren YARALI GÖNÜL
Zeki Müren(ゼキ・ミュレン, 1931 - 1996)の1971年のシングル “Dert Ortagimsin Benim” のB面。
Zeki Müren - Dert Ortagimsin Benim / Yaralı Gönül (Vinyl) at Discogs
作詞: Sabiha Sayın はいいとして、作曲: Suat Sayınとか書いてある。といっても、この曲は30年代から歌われていたし、サーフ・ロック版のさらに後である。これはトルコ古典音楽風のアレンジ、という意味なのかもしれない。
さてゼキ・ミュレンについては、前回取り上げた際に女装したおじさんということを知り、美川憲一とか美輪明宏みたいな印象を持っていた。が、この人は20世紀に活躍したトルコのスーパースターであったようだ。国営放送で15年に渡りラジオ番組を放送した他、数百に及ぶ録音(中には自身で作詞や作曲も手掛けたものもある)を残し、俳優や詩人としての顔も持っている。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで歌った最初のトルコ人でもあるらしい。長年の功績から、1991年に歌手としては初めてDevlet Sanatçısı(国家芸術家?)の称号を授与された。
“Yaralı Gönül”(「傷ついた心」というような意味らしい)については、彼の亡くなった後の2011年にリミックス版が制作されていた。
Zeki Müren - Pulp Fiction (Yaralı GönüL (O)mix )
リミックス版(ディック・デイル風)の発売元(OIA Müzik)のMV。映像にはゼキ・ミュレン……だけでなく、よく見るとディック・デイル、ビートルズ、マイケル・ジャクソンなんかが混じっている。
最近のものとしては、Umut Kuzey(ウムツ・クゼイ?)のバージョンも。一応ゼキ・ミュレンのカヴァーということになるのだろうか、歌詞は一緒である。案外、前述のリミックス版がヒットしたのかもしれない。
Umut Kuzey - Yaralı Gönül
2012年のアルバム “Sorma” 収録。シングルも発売されたようである。
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